東京高等裁判所 昭和53年(う)1515号 判決
被告人 菱山一男
〔抄 録〕
そこで検討すると、(証拠中略)同警察官は被告人の反則行為(駐車違反)を現認した現場で交通反則切符を作成したが、被告人に交通反則告知書を交付する以前に、反則日時欄の昭和五二年一月一一日午後三時二九分との記載が同日午後三時二五分の誤りであること及び補足欄の駐車時間一六分との記載が同一三分の誤りであることを発見したので、右反則切符の一枚目にある交通反則告知書・免許証保管証の右誤記にかかる数字の上に訂正すべき数字を直接ボールペンで書きこむ方法で訂正したうえ右告知書を被告人に交付し、その余の交通事件原票等はいずれも現場では訂正せず、後日符箋用紙を用いて訂正したものであることが認められる。ところで、右警察官のした本件告知書の訂正方法は交通反則通告手続に関する警察庁通達(昭和四三・四・五丙交指発第一一号)通告関係業務実施要綱第一〇に定められた方法によらない点で正当なものとはいえず、かつ訂正後の記載も若干不鮮明であるとはいえ、右訂正部分は、その内容がそれほど重要なものではないうえ、これを判読することがそれほど困難ではないと認められるから、右のかしは本件反則行為等の告知の効力を失わせるほどのものではないと認められる。したがって、右の告知を前提とし、これと同一種別の反則行為についてされたことが明らかな本件通告処分及び反則金不納付に基づく本件公訴提起の手続はいずれも有効であるから、所論は前提を欠き採用することができない。
(環 斉藤 小泉)